天職なのかもしれない

最近はというと福岡でフランス式ギャルソンをしている。

Aux Bacchanales 博多店



フランス式(パリのカフェを真似た)のサービスを日本でする。

実に興味深く履歴書を持っていった。

  




実際に働いてみて、肌感で6割ほどであろうか。フランス式である。

お客さんが違うし、雇用形態や技術力にも違いがあり、完全にシステムまで真似ることは不可能なのであろう。



その中でも日本(福岡)でパリのカフェで働いているような経験ができるのはここだけではないか。







フランスでの経験を経て日本の飲食店で働く。

以前の感覚とは違う今がある。


サービスに関して本当に考えることが多く、日々学ぶことが一杯だ。







まず、日本人のお客さんは元からの期待値が高いと僕は思う。

 


”お客様は神様”



のような風潮があることやネットや口コミ等の評価をすごい気にする性格。


あと、せっかち。


その分評価の基準はものすごく厳しい減点方式。

そこに加えてインスタ映えのように見た目評価もすごい文化。


※別に悪口を書きたいわけでもない。

ただ、フランスと比較して思うこと。






色々と比べてみると、

日本でお客さんの満足度を上げることはなかなか容易なことではない。





そんな中僕が今オーバカナルで意識していることは、お客さんへのサプライズ




上記に書いた日本人の特徴を理解し、期待を裏切らないことはもちろん。

その上で新しい発見やサプライズを与えられるように努力をしている。




このカフェは内装やギャルソンの格好から、フランス式と知らずに入ったお客さんも一目でお店のコンセプトを理解してくれる。

いい意味ですでに非日常的空間が用意されている。



そこで ”カッコいいギャルソン” が演じなければ減点になるわけだ。

 


逆に手際良くお客さんの求めるタイミングでサービスが提供できれば、

減点にはならないどころか、非日常的体験ができる一つのサプライズとなる。


(これが街中によくあるカフェとは違っていいところ)



  

 

その上でのサプライズとは何か。



僕が今のところ提供できているのは、少しのパフォーマンスと絶妙なタイミング探し。



例えば、パフォーマンスの一つで反響がいいのは瓶の開け方。

トレンチを片手に肩で空ける方法はほぼ誰にとっても新鮮なようでオッと言われる。


その他はトーションの使い方やトレンチ捌き等、”普段行くカフェ”では見ないサービスを心がけている。 

 

要するに前述通り、カッコいいギャルソンを演じる。








もう一つが特に意識している絶妙なタイミング探し。


マニュアルに縛られ万人に同じサービスをしていてもつまらない。

人それぞれに水が欲しいタイミングがあるし、人それぞれにお伺いして欲しい、皿を下げて欲しい、提案をして欲しいなど、タイミングなんてバラバラだ。

 


どういう意図で来店し、何の時間を過ごしたくてこのカフェを選んだかを想像する。

その自分の想像とお客さんのタイミングが合い、サービスがバチっとハマれば、それはお客さんにとってサプライズとなる。




僕の自論であるが、

日本人の方々は本当に驚いた時(期待以上のことが訪れた時)、会話が止まり驚いた表情で相手の顔を確認する。しまいには振り返ってその人を目で追いかけ、一緒にいる人に驚きをこそっと共有する。

 

直接言葉で言われることは少ないが、

そう言った反応が見られると良いサプライズができたと少しばかり嬉しい気分に浸っている。




チップのように目に見える形で何か評価が分かるわけでもなくただの自己満ではあるが、

少しでも減点方式のお客さんに加点してもらおうと地道な模索をしながらサービスをしているのが楽しい。







最後に日本に帰ってきて飲食店を見て、また今の店で働き気付いた大切なこと。





日本人のサービスマンには自信と余裕をあまり感じられないことが多い。



お客様は神様風潮だから。


と言って謙虚な姿勢でいくのはわかるが、余裕と自信がないサービスとお店はお客さんの求める満足に繋がらないと僕は思う。



例えば、汗だくで顔に焦りしかない人がバタバタサービスしてきたらどう思うであろうか。

出てくる感情は同情であり、それ以上はない。



飲食店に限らず何のサービス業であってもその人を頼りにしたくないし、

満足してお金を払うことはないであろう。






また、腰が曲がって目線の下がった顔に覇気のない人はどうだろう。


大丈夫かこいつ。そう思うに違いない。

 


これは普段そうでなくても忙しい時によく見られがちな特徴。

でもどんだけ忙しくても、背筋を張って余裕(落ち着き)を見せれるように取り組まなければ、お客さんの信頼は勝ち取れない。



すなわち、サービスマン < お客さん(神様) の構図は変わることなく、頼り甲斐のない客に服従する飲食店従業員になってしまう。




結果、お客さんが求める満足には繋がらない。




 

僕だって普段は猫背でクソほど姿勢が悪い。

でも仕事の10時間くらいはバシッとする。仕事だから。



経験がないから自信がない。余裕が持てない。

は間違いであり、いかにそう見せるように努めるかが大事だと僕は思う。


確かに経験がモノをいうこともある。

しかし日々意識することで見せ方一つ変わってくる。






この余裕と自身は僕の営業時代に足りなかった。

だから思うように成果も出せなかった。

日々意識することすらできていなかったので、

見せ方一つ変わらず、頼りない営業マンで終わってしまった。





今だから気付き言えること。

 


”余裕”と自信”  

これは何をするにおいても大事な2つの要素なんだと思う。

 



そんなことを働きながら学び、こうも熱く語れている自分を俯瞰して見ると、



サービスという仕事が天職なんであろう。



A la française

à la française(アラフランセーズ) フランス流に生きる25歳の冒険

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