25日目 “遭難を覚悟した日”

本日の向かう先はAntibes


当初Cannesに宿泊予定だったが、Couchsurfingでホストが見つかったのがアンティーブ。

Cannesより約10km程先なのでまあよかろう。



Antibesまで85kmの道のりで、

これだけの長距離移動はこれで最後になる。




朝食を食べコーヒーを飲みいざ出発。

(この家のイタリア式コーヒーがめちゃくちゃ美味しい)




快晴とはいかなかったが、雨風からは逃れられた。


県道98号線を通りPort Cogolinへ。

海岸沿いを通る559号線に合流する。

サイクリングロードがしっかり整備されており、Sainte-Maxime目がけ一直線。





結構な数のガチ勢サイクリング者(集団)が通りすぎていく。




出発から1時間ほどでSainte-Maximeのビーチが見えてき、大きな白い橋を渡り市街地に到着。


曇りながらも結構な数の観光客。






まだまだフレッシュなのでここでは止まらず通過。

もう20km先のFréjusまで頑張ることに。




引き続き海岸線の559号線を進む。

向かい潮風を100%正面に受け順調に体力を奪われながら前進。




これが地味にきついのだ。




晴れていれば目の前の綺麗な海に見とれ、風なんて忘れてしまうのだろうが、

こんな曇りの天気じゃ風が気になってしょうがない。



かと言って海岸線以外の選択は考えられない。小道を通り山を越えていく姿が目に見えている。


それよりはマシかと辛抱し風と戦う。







坂井、転倒。


この旅で初めてコケた。



尿意が限界に達し、どこかできる場所はと探していたところで道路脇の段差に気付かず大胆にコケた。



車道側にコケたが幸いにも後ろに車はいなかったので大惨事にならず、

対向車線の車が停まって助けに来てくれた。





Fréjusまであと4km程。

気を引き締めろ坂井。




少し慎重になりながら進み、13時半に無事Fréjus到着。


マックで昼食休憩。

栄養補給の為サラダも注文。




なんせこの後はもうすでに覚悟している山登りが待ち受けている。


カンヌまでの道のりで、海岸線をぐるっと大きく回っていく道もあるが、

そちらもどうせ登りがある。



ナビも推奨の山越えルートに決定。

山越えの道も2通り選択肢があるが、”ナビ推奨”の県道37号線での山登りに挑むことに。

標高差300m超、600mのアップダウン


山登り手前でお祈り。




”どうかコンクリート道が続きますように”






しばらく道なりに進む。



ゆっくりとした傾斜でそれ程のキツさはなし。






順調に進んでいたところで事件発生。

What the F**kとはまさにこのこと。




川の中に道が消えた。




後ろから車でやってきたフランス人家族とともに呆然と立ち尽くす。





これ、”県道”よね?





おいマクロン。これには一つ申し上げたい。


これまで”県道”に幾度か裏切られてきたが、もう我慢の限界である。

県道と名付けているのであれば、しっかり整備してくれ。頼むわほんとに。




何とか渡ったよ。


裸足になり荷物を全て荷台に括り付け、川を押して渡りましたよ。



こんなこと出発前に想像もできるわけなかった。

けど渡るしか他なかった。

(ちなみに後ろの家族は諦めたみたい。)





渡り終えたところでもう道路が砂利混じり。
※思ったよりも早い展開で嫌な予感



少し漕ぎ進めたところでなんや広げた場所に到着。



ナビの示す道がない



もう一方の道は工事により封鎖


もうやだ。
まだ山登り開始から5kmも進んでない




進むしかないので何となくの方角に進もうとする。

川辺の砂利道なんだが、
“21h-8hの夜間は入山禁止”
看板にそう書いてあり不安でしかない。



ガッタガタの砂利道を進むとまた川。

つい先ほど、もう2度とないであろうと思った川渡り。(規模は小さいが)






そしてまた川




また川
 








しつこいって。

合計5個川渡ったわ。




渡りきったと思ったら、
見えてしまった途方もなく続く坂。



絶望。


道から岩と言うか石がむき出し


漕げるか。


半分涙目で自転車を押す。
荷物が重く、押して登るだけでも一苦労。



ほんとに道があっているかももう半信半疑。
確認したくても携帯の電波は入らない。



サファリパークのど真ん中にいきなり落とされた感じ。
入山禁止とか看板見たものだから
なんか動物とか出てきたらどないしよう。

とか、

途方にくれて野宿することなったらどうしよう

とか考えざるを得ないほど、
大自然に取り残された気分。


少しでも漕いで進めればまだいいのだが、
ひたすら自転車を押しながら坂を登るので、
歩くよりも遅い。
どっから来たかも分からないが、
こう見ると登ってきた感はでてきた。



まだまだひたすらに終わりの見えぬ坂を登る。


 

この辺りで一旦電波が入った。

日本にいる彼女に連絡を入れた。
明日の朝になって連絡来てなかったら遭難したと思ってくれと



孤独との闘い



体力もそうだがメンタルとの闘い
 


気持ちで登った



結構上まで登ったところで犬の散歩をしていたおじいちゃんに遭遇。


たまらず声をかけた。

話せば定年後この辺りに越してきたおじいちゃん。何もせずのんびりする生活が良いと話す。
(なにもこんなど田舎に隠居する必要ある?)


と心の中で思いつつ、
道のりを聞けば、この先に大通りに合流できるところがあるとの事。

 

肩の力が一気に抜けた。
やっと景色を楽しめる余裕ができ、今まで登ってきた山を見下ろすようにしばらく休憩した。
これらの山々を超えてきた。


先の見えそうな道にもなってきたので、力を振り絞り、また自転車を押す。

※この山登りの8割は漕いでいない
 



大通りが見えた瞬間、安堵のあまり草むらに転げた。
今までで間違いなく1番キツかった道のり。
3時間半かけて山を越えた。




あとはコンクリートの上を下って行くだけ。



Mandelieu-la-Napouleを通りCannesめがけて一直線。
県道6098号線に合流すれば海岸線を気持ちよく走行。
 


19時半頃Cannes に到着。

たまらずレストランに入った。
(頑張ったご褒美に良い飯を食うと途中で決めていた)


前菜として生ガキからスタートし、

メインはentrecôte(サーロインステーキ)
デザートも食べた。
もちろんビールも飲んでやった。




やりきった思いでしばらくカンヌでゆっくり


Couchsurfeurの待つAntibesまでは12km程。
用事が急に入ったみたいなのでゆっくり向かい、Antibes到着したのは22時前。



カフェでコーヒーを飲み家に向かった。




家には、CouchsurfeurのVan(ベトナム人)
奥さんのSvetlana(リトアニア人)
昔Couchsurfingで仲良くなった友達のCoral(マレーシア人)
+ワンちゃん2匹

国際色豊かな家でとても温かい歓迎を受けた。
このCoralが瞑想者?なようで、色々と興味をそそられる。



今日は体力使い果たしたのでこの辺で。












A la française

à la française(アラフランセーズ) フランス流に生きる25歳の冒険

0コメント

  • 1000 / 1000